成果物納品の作業手順

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完成した設計書等の成果物を納品するまでの作業手順を、詳細に解説します。

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  1. 当記事に於ける納品手順の前提
  2. 納品書テンプレート集
  3. 納品作業の概要的な流れ
  4. 納品で必要となる備品
    1. キングファイル
    2. DVD-RやCD等の成果物を保存する媒体
    3. 媒体のラベル印刷できるプリンタ、もしくはテプラ
    4. 成果物を印刷するための用紙
    5. 中表紙となるカラーインデックス
    6. カラーインデックスに貼るテプラ
    7. 納品物件を運ぶためのダンボール、又は大きな袋
    8. 媒体のライティングソフト
  5. 納品手順の詳細と目安の作業時間
    1. 1)全成果物を成果物マスタへの登録完了
    2. 2)成果物の頁数が書かれた一覧を作成
    3. 3)納品媒体が1枚で収まらない場合、どの成果物を何枚目の媒体に書き込むか割り振りを決める
    4. 4)納品に必要な備品の準備
    5. 5)納品スケジュールの作成、並びに必要メンバのアサイン
    6. 6)成果物を全量印刷
    7. 7)印刷した成果物の体裁チェックと印刷差し替え
    8. 8)全ファイルのプロパティに入力された個人名、会社名等を削除
    9. 9)体裁修正が完了した成果物を成果物マスタへチェックイン
    10. 10)紙媒体の背表紙、表紙、中表紙の作成
    11. 11)媒体作成
    12. 12)作成した媒体へのウイルスチェック
    13. 13)媒体のラベル作成・印刷
    14. 14)客先納品前の予備日
    15. 15)客先納品
  6. 体裁チェックの対象とする不備内容
    1. ExcelやWordのプロパティに入力された個人名等の削除
    2. 表紙の体裁チェック項目
    3. 変更履歴の体裁チェック項目
    4. 目次の体裁チェック項目
    5. 本文の体裁チェック項目

当記事に於ける納品手順の前提

  1. システムエンジニアが作成した設計書等を納品するための作業手順である
  2. 今回は「DVD-Rの媒体」と「紙媒体」の両方を納品する作業手順である

納品書テンプレート集

納品書様式をExcelで加工できるテンプレートをまとめました。

納品書Excelテンプレート(無料) – 基本レイアウト

納品書テンプレート

納品作業の概要的な流れ

実際に納品作業を行う時の流れは、下記の通りです。

  1. 全成果物を成果物マスタへの登録完了
  2. 成果物の頁数が書かれた一覧を作成
  3. 納品媒体が1枚で収まらない場合、どの成果物を何枚目の媒体に書き込むか割り振りを決める
  4. 納品に必要な備品の準備
  5. 納品スケジュールの作成、並びに必要メンバのアサイン
  6. 成果物を全量印刷
  7. 印刷した成果物の体裁チェックと印刷差し替え
  8. 全ファイルのプロパティに入力された個人名、会社名等を削除
  9. 体裁修正が完了した成果物を成果物マスタへチェックイン
  10. 紙媒体の背表紙、表紙、中表紙の作成
  11. 媒体作成
  12. 作成した媒体へのウイルスチェック
  13. 媒体のラベル作成・印刷
  14. 客先納品前の予備日
  15. 客先納品

納品で必要となる備品

納品に必要となる備品の一覧です。

キングファイル

成果物を印刷して閉じるのに使います。

キングファイルの幅には3cm、5cm、8cm、10cmとあり、一般的には5cmが使われるため、全冊を5cmで統一するか、もしくは5cmが2冊で足りるので10cmでひとまとめにするか等を客先と調整して決めます。

DVD-RやCD等の成果物を保存する媒体

成果物のファイルを媒体に保管して納品するための媒体です。

傷に比較的強いDVD-R(容量4.7GB)又はCD(容量700MB)がおすすめです。

また、ラベルに成果物タイトルや日付等を書くため、ラベル印刷可能(ラベル表面が真っ白)なタイプを選びます。

媒体のラベル印刷できるプリンタ、もしくはテプラ

媒体にラベル印刷できるプリンタ、もしくはプリンタが無ければテプラを準備します。

なお、テプラはDVD-Rをパソコンにセットした際、剥がれてパソコンの中にくっつく恐れもあるため、可能な限り、プリンタでラベル印刷することをおすすめします。

成果物を印刷するための用紙

成果物を紙でも納品するため、成果物を印刷するための用紙を準備します。

なお、A3サイズの成果物がある可能性を意識して準備します。

中表紙となるカラーインデックス

異なる成果物が複数存在する場合、見たい成果物を発見しやすくするため、成果物同士の間にカラーインデックスを挟みます。

なお、カラーインデックスのタブに、透明なテプラで成果物名を書くと、より分かりやすくなります。

カラーインデックスに貼るテプラ

前述の通り、カラーインデックスのタブに透明なテプラで成果物名を表記すると、分かりやすく、且つ見た目も綺麗になります。

なお、テプラが無い場合、印刷した成果物名をノリで貼るという代替手段もあります。

納品物件を運ぶためのダンボール、又は大きな袋

成果物を印刷したキングファイルや、成果物を保存した媒体を客先へ運ぶためのダンボール、又は大きな袋が必要です。

キングファイル2冊~4冊の少量なら大きな袋で十分ですが、布製の袋でないと破れる危険性があります。

媒体のライティングソフト

通常は、Windows標準のライティングソフトで書き込みできます。

但し、Windows標準のライティングソフトで書き込めないケースもあります。例えば、ディレクトリの階層が深い場合です。

従って、無料のライティングソフトをあらかじめ準備して、全てを無料のライティングソフトを使って書き込むか、もしくはWindows標準のライティングソフトで書き込めない場合のみ無料のライティングソフトを使います。

納品手順の詳細と目安の作業時間

具体的な納品手順の詳細と、各手順の目安となる作業時間を解説します。

1)全成果物を成果物マスタへの登録完了

納品対象となる成果物を、Subversion上の成果物マスタ(成果物の最終版を格納する領域)に全て格納します。全て成果物が格納されているかのチェックは、成果物一覧との突合せで行います。

目安となる作業時間

当作業は納品作業ではなく、構成管理として普段の開発中に実施する作業です。

2)成果物の頁数が書かれた一覧を作成

成果物名を一覧した後に、印刷対象の成果物は印刷した際の頁数を確認して一覧化します。

作業の目的は、「納品スケジュールを頁数を基に作成」するためと、「客先へ納品成果物一覧として提出」するためです。

目安となる作業時間

当作業は納品作業ではなく、構成管理として普段の開発中に実施する作業です。

3)納品媒体が1枚で収まらない場合、どの成果物を何枚目の媒体に書き込むか割り振りを決める

1枚のDVD-R(4.7GB)に全ての成果物が収まらない場合、どの成果物ファイルを何枚目のDVD-Rに書き込むか割り振りを決めた結果の一覧を作成します。

目安となる作業時間

1人で4時間程度の作業です。

4)納品に必要な備品の準備

納品に必要な備品を準備します。

目安となる作業時間

作業時間は少ないですが、新規に購入する場合、調達してから納品で3日程度が見込まれます。

5)納品スケジュールの作成、並びに必要メンバのアサイン

成果物の頁数、並びに媒体の枚数を基に納品スケジュールを作成します。

納品スケジュールを基に必要なメンバを抽出して、必要メンバをアサインします。

目安となる作業時間

1人で8時間程度の作業です。

6)成果物を全量印刷

体裁チェック、並びに納品用として印刷します。

パンチで穴を開けてキングファイルへ綴じる他、A3用紙がある場合、A4サイズに折り込む作業も必要です。

目安となる作業時間

5cmキングファイル1冊分で2時間が必要です。

7)印刷した成果物の体裁チェックと印刷差し替え

印刷した成果物の体裁チェックします。

体裁チェックの完了後、納品作業者で直接修正後、再印刷して差し替えます。

目安となる作業時間

1人が1日作業した場合、5cmキングファイル1冊~2冊程度で、修正量によって作業時間は大幅に変わります。

8)全ファイルのプロパティに入力された個人名、会社名等を削除

Excel、WordやPDFのファイルにはプロパティに「ファイルの作成者」等の情報を保有します。ここには個人名等が書かれているため、削除する必要があります。

ファイルをまとめて選択した後に右クリックで「プロパティ」を選択して、プロパティ画面から「プロパティや個人情報の削除」リンクを選択すると、一括で個人情報を削除できます。

目安となる作業時間

ファイルの数によりますが、1時間~2時間程度で完了します。

9)体裁修正が完了した成果物を成果物マスタへチェックイン

体裁の修正が完了したファイルを、改めて成果物マスタへチェックインします。

ファイル容量が大きい場合、Subversionへのアップロードに時間が掛かります。

目安となる作業時間

ファイルが1GB程度ある場合、Subversionへのアップロードは30分見込まれます。

10)紙媒体の背表紙、表紙、中表紙の作成

印刷した成果物のキングファイルに使用する背表紙、表紙、中表紙を作成します。

目安となる作業時間

1人で1時間程度の作業です。

11)媒体作成

納品用媒体へ書き込みます。

目安となる作業時間

小さいサイズでもファイル数が多い程、書き込みに時間が掛かります。1枚で最長1時間程度が見込まれます。

12)作成した媒体へのウイルスチェック

媒体に書き込んだ状態でウイルスチェックを行います。

目安となる作業時間

媒体に書き込まれたファイル数によって、ウイルスチェックに掛かる時間が大幅に違います。早いものだと1枚で10秒程度、遅いものだと1枚で最長1時間程度が見込まれます。

13)媒体のラベル作成・印刷

媒体のラベルに下記の事項を印刷します。媒体ラベルソフトで文字を入力してから印刷します。

  1. 客先名
  2. 納品社名
  3. 媒体レビジョン
  4. 正 or 副(正媒体又は副媒体の意味)
  5. 納品日
  6. ウイルスパターンファイル番号

目安となる作業時間

媒体の枚数によりますが、1時間~2時間程度です。

14)客先納品前の予備日

納品作業の遅延に配慮して、納品日前に1日~2日の予備日を設けます。

15)客先納品

客先からのお金は、納品物を納めることで戴けることから、納品の遅延は問題となります。

納品が遅延とならないよう、納品日前日までに持参して、客先に早めに検収して頂けるよう心掛けましょう。

体裁チェックの対象とする不備内容

納品作業者は、成果物の文章を読み込むようなチェックは行わず、最低限必要な体裁チェックのみ行う。

ExcelやWordのプロパティに入力された個人名等の削除

ExcelやWordのファイルを右クリックして、表示されたメニューから「プロパティ」を選択すると、その文書を作成した人の個人名や会社名が表示されます。

ExcelやWordで作ったファイルであれば、プロパティ画面に「プロパティや個人情報の削除」というリンクをクリックすると個人情報を簡単に削除できます。

大量にファイルがある場合、フリーソフトで一括削除できます。

また、PDFファイルはプロパティ画面から削除できないため、PDFファイルが編集可能なフリーソフトで個人情報を削除します。

表紙の体裁チェック項目

  1. 表紙のタイトルは標準的なものか
  2. 表紙の日付が納品日であるか
  3. 表紙の版数は正しいか

変更履歴の体裁チェック項目

  1. 変更履歴は1.0版以降のものか
  2. 1.0版の変更履歴だけであれば、変更内容は「初版発行」であるか
  3. 表紙の版数と一致しているか
  4. 表紙の日付と一致しているか

目次の体裁チェック項目

  1. 目次は存在するか
  2. (体裁チェックで修正した場合)修正で頁が増減した場合、目次の頁数と実際の頁数が一致しているか

本文の体裁チェック項目

  1. Excelの罫線切れは無いか
  2. Excelの文字切れは無いか
  3. Word表タイトルが頁を跨いだ次頁以降に表タイトルはあるか
  4. Wordの図形ずれは無いか
  5. 縮小されて文字が読めない箇所は無いか
  6. 必要のない空白頁は無いか
  7. Excelの表の一部が数頁に跨って印刷されているが、表が空欄のみで不要な頁が無いか

下記の体裁チェックは、成果物の客先承認に至るまでに修正されている前提として、納品時にはチェックしない。(下記をチェックした場合、多大な作業時間を要するため)

  1. 誤字、脱字は無いか
  2. 語尾が「ですます調」もしくは「である調」で統一されているか
  3. 他と異なるフォントは無いか(明朝体の中にゴシックが混じっている等)