東日本大震災をはじめとして、我々は大きな地震や台風、水害を経験しています。
阪神淡路大震災や東日本大震災が発生するまでの数十年は、大地震は真実味の欠けたものに感じていましたが、阪神淡路大震災の発生から2018年北海道震度7地震までの間には、記憶に残る大地震がいくつも発生しています。
みなさん、本気で防災グッズを揃えましょう。
「ローリングストック」という考え方
「ローリングストック」とは、「普段から消費するものの備蓄を多めに買っておいて、防災の備蓄と兼用にする」ことです。
例えば我が家では、「サトウのごはん」や「エビアン」のように備蓄として利用できるものは、かなり多めに買ってストックしてながら消費しています。
ローリングストックのメリット
我が家はローリングストックを完全に実現しているので、そのメリットを非常に感じ取れています。
消費期限を気にしなくて良い
防災グッズはしまい込むことが多いため、いつの間にか消費期限が近づいて、無理やり食べるといったことはありますが、ローリングストックは普段から消費しているので、消費期限をうっかり切らす心配が少ないです。
防災用の食材よりも美味しい
防災用の食材は、乾燥させてある等、決して美味しいとまで言える商品は少ないと感じます。
普段から使っているので故障していないのがわかって安心できる
例えばカセットコンロ等、長期間使用しないとイザという時に利用可能か心配な物でも、普段から利用していれば安心です。
被災時以外で品薄になっても安心できる
新型コロナウイルスの影響で、マスクやトイレットペーパーが品薄、且つ高額になりましたが、こんな時でもストックが多いと高額商品を購入することなく、そしてストックがあるという安心感が生まれます。
ローリングストックのデメリット
ローリングストックはぜひおすすめしますが、やはりデメリットも出てきます。
保管場所を広く取る(防災グッズも場所を取る)
防災グッズを揃えた場合でも、結果的に保管場所の確保は必要なので、あまりデメリットとは考えません。
利用頻度の低いものはコストが割高である
例えば、普段、お米は炊飯している人にとって、「サトウのごはん」は割高になります。買った水をあまり飲まない人に、エビアン等の飲料水は割高な買い物です。
実際、東日本大震災のときに起こったこと
実際、東日本大震災の時、避難生活をしていなくとも、実態として自分がこんな苦労をしたり聞いたりしています。
震災直後から停電となり、灯りの確保に苦労した
東日本大震災で揺れている最中、突然停電しました。それから5〜6時間でしょうか、3月の寒い中、電気が供給されなかったので、車の中でしばらく暖を取りました。
寒い時期に停電となったため、暖をとるのに苦労した
車内は友だち家族と子ども達でいっぱいになったので、家の中ではホワイトガソリンタイプのランタンを1つ準備しました。もちろん換気に注意しながらですが、灯りと暖が一気に取れるので、とても重宝しました。
断水していないのに、マンションの排水溝に亀裂が入り、排水ができないためにトイレ、シャワーが使えなくなった
知り合いが舞浜のマンションに住んでおり、液状化によって排水溝に亀裂が入って排水できない状況に陥ったそうです。
給水には問題ないですが、排水すると1階の方の部屋に排水が溢れ出るそうです。なので、トイレもお風呂も使えなかったそうです。その方はたまたま親類が近所だったので、お風呂はそこを利用させてもらっていたそうです。
コンビニへ行ったら、すぐに食べられるおにぎり、お弁当の棚がカラだった
震災のときは会社だったので、すぐさま近くのコンビニで家族の食料を確保してから徒歩で帰宅しようとしたら、コンビニの食料は空に近い状態でした。たまたま、家には食材があったから良かったですが、停電で冷蔵庫の食材がいつ腐り始めるか不安な夜となりました。
防災グッズの全リスト
実際に被災された方が「必要だ」と感じたグッズも含めて、普段から揃えるべき防災グッズを解説します。
簡易トイレ
意外に盲点になりやすいのが「トイレ」です。
断水で結果的にトイレが使えない、もしくは車中泊しているのでトイレを確保したい場合、市販の簡易トイレ、もしくは簡易トイレに代わるアイテムは必要不可欠です。
被災時のトイレで気をつけることは、「水を使って流さない」ことです。被災時の水は貴重で節水したいからです。
着替え用テント(トイレ用テント)
着替え用の縦長テントが市販されていますが、被災時には「トイレ用テント」になります。普段使う機会も少ないですが、あると非常に便利なテントです。
ゴミ袋
ゴミ袋は、水が流せない時のトイレ代わりになるだけでなく、様々に活躍してくれます。
水を使わないトイレ
断水で水が貴重な状況の中、トイレにゴミ袋を敷けば水で流すことなく処分できるトイレに変わります。
簡易雨合羽
完全な雨合羽にはならないですが、充分な代わりを勤めてくれます。
防寒着
体温を逃さないという役割をしてくれます。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーはスマホの充電だけでなく、停電時の灯りを確保するにも使えます。モバイルバッテリーには様々な種類がありますが、防災に備えるならこの3つを確保したいところです。
大容量のモバイルバッテリー
大容量のモバイルバッテリがひとつあれば、2日程度は凌げます。
乾電池式のモバイルバッテリー
モバイルバッテリーの中には、乾電池や充電池を使ってスマホの充電ができるタイプがあります。
乾電池式のモバイルバッテリーのメリット
- 充電池を使ってスマホの充電ができる
- コンビニで売っている乾電池を使ってスマホの充電ができる
- 充電池の充電器として使える
乾電池式のモバイルバッテリーのデメリット
- 普通のモバイルバッテリーに比べると1回あたりの充電容量が小さい
- 単三電池の大きさよりコンパクトなサイズの機種はない
通常のモバイルバッテリーだと、スマホと同じ厚みのモバイルバッテリーが存在しますが、乾電池式タイプだと単三電池よりコンパクトにならないので、薄型タイプを求める人には向きません。
太陽光で発電するモバイルバッテリー
停電が数日間続いた時、または車中で生活する必要がある時など、電源の確保が重要となりますが、この太陽光発電タイプのモバイルバッテリーなら、例え雨でも昼間に充電することが可能です。
もちろん、普段、公園等に出掛けた時、夏フェスに出掛けた時、釣りやキャンプへ出掛けた時など、電源の確保が難しいシチュエーションでもスマホやモバイルバッテリーの充電が可能です。
USB端子型の電球
USB端子から電源供給を受けて灯る電球があります。灯りは長時間点けたいため、モバイルバッテリーを利用できる「USB端子型の電球」なら、家内でも車中でも非常に明るく長時間照らしてくれます。
普段の生活でも、ベッド脇や机の灯りとして活躍できます。
懐中電灯またはランタン
家の中で持ち歩いたり、崩壊した家の中で助けを呼ぶ時等に役立ちます。
- 遠い位置へスポット的に灯りを当てたいなら懐中電灯がおすすめ
- 広く明るくしたり、置いて灯りを点したいならランタンがおすすめ
乾電池
アルカリ乾電池や充電池等、乾電池はランタンや懐中電灯等で多く利用されます。やはり、繰り返し使える充電池がおすすめです。
マスク
マスクは、避難所の感染症対策だけでなく、被災時の後片付け等にも役立ちます。
飲料水
地震後に給水に並ぶ人の姿をよく見掛けます。お水はあらゆることに必要なものです。
- 飲料
- 歯磨き
- 調理
我が家はAmazonの定期便で飲料水を切らさないようにしています。普段はそのまま飲みます。
スポーツ飲料
熱中症対策にもなるスポーツ飲料も、なるべく多くストックしておきたいものです。水分だけでなく、身体に必要な成分補給もできます。
サトウのごはん
サトウのごはんは、お湯でもレンジでも温められるので、家族が外出中で一人の食事では、サトウのごはんを食べています。
被災した時に温かいお米が食べられるのは、とても幸せです。
おもち
おもちはお腹がふくれるし、長期保存が可能で、さらに普段、例えば朝食として等、お正月以外でも活躍する食材のひとつです。
レトルトカレー
サトウのごはんと共にお湯で温められるレトルトカレーはとても便利です。
レトルトハヤシライス
カレーだけでは飽きるので、カレーと同じようにご飯にかけれるハヤシライスもおすすめです。
レトルトシチュー
野菜たっぷりのシチューは、身体も温まります。
カップ麺
お湯だけで食べれる便利なカップ麺も、1日おき等に食べれると良いでしょう。
缶詰
長期保管できるという面でもメリットのある缶詰は、被災中の食事バリエーションを増やす意味でも貴重な存在です。
パスタとパスターソース
長期保存可能で、普段の食事にも取り入れる機会の多いパスタとパスタソースも揃えておきたいところです。
パスタソースは缶詰タイプ、レトルトタイプとありますが、温めが簡単なレトルトタイプがおすすめです。
トイレットペーパー
トイレットペーパーは非常に消費が激しいものなので、普段から多めにストックすることは大変有効な手段です。
トイレ用ウェットティッシュ
しばらくお風呂に入れないことがあると、トイレットペーパーと共に揃えたい「ウェットタイプのトイレ用トイレットペーパー」です。トイレットペーパーで拭いた後の最後にだけトイレ用ウェットティッシュを使うと、衛生を保てます。
除菌ウエットティッシュ
お風呂に入れない状況での身体拭きや、毎回の食事前に衛生を保つために欠かせないアイテムです。
ディッシュペーパー
我が家ではディッシュペーパーの消費が激しいので、かなりな数をストックしています。
生理用品
継続的に必要となる生理用品もストックを充分持ちたいものです。
カセットコンロ
一人暮らしで使う事はほとんど無いと思いますが、3人以上のご家族なら、防災グッズとして重要なカセットコンロは揃えておきたいところです。
停電やガス供給が停止する被災中、もしくは車中泊でも温かな食事、お湯を沸かす等、とても重宝します。
普段の生活なら、鍋も焼肉、そしてキャンプでも使えます。
給水用ポリタンク
ポリタンクも普段は利用しませんが、断水時に水を運ぶ時に便利です。使用済み2リットルのペットボトルを10本程度保管しておくのもよいですね。
サランラップ
サランラップをお皿に敷けば、お皿を洗浄する必要がなくなります。
わりばし
お箸は食事で必需品ですが、わりばしなら洗浄する必要のないことがメリットです。
キャリーカート
キャリーカートは旅行や、重たい買い物に役立ちますが、被災時なら、給水車から戴いたお水を運ぶのに便利です。
カセットボンベ
カセットボンベは20本ストックしていると、被災時に足りる量になると思います。
ボンベ1本の燃焼時間:目安としては、3.5kW(3,000kcal/h)のこんろの場合、強火で約1時間です。これは最大火力での連続燃焼時間で、サトウのごはん4人分、レトルトカレー4人分を実際に温めて時間を計測したところ、1週間の調理には20本が妥当です。
使い捨てカイロ
冬場の暖を取るのに、長時間場所を選ばず身体を温められるので、大変便利です。
ラジオ付き目覚まし時計
普段、ラジオを聴かないという人でも、被災時の情報源としてラジオは非常に貴重なものです。「スマホで情報を入手すれば」と思うでしょうが、付近が停電すると、スマホの基地局も機能せず、結果、スマホから情報を得られないからです。
ラジオ付き目覚まし時計なら、普段は目覚まし時計として利用できるのでムダになりませんね。購入の条件は下記が挙げられます。
- AM、FM共に受信できるラジオであること
- 停電でも稼働するバッテリー方式であること
軍手
被災時の片付けをする時等、手を保護するためにもストックしておくことをおすすめします。
震災時に備えて普段から気をつけるべく行動
被災に備えるには、何も防災グッズを買う事だけではありません。
車のガソリンは半分になったら満タンにしておく
北海道胆振東部地震(北海道震度7地震)のとき、ガソリンを求めてガソリンスタンドに長蛇の列ができました。地震のとき、車は大変重宝しますので、常にガソリンは満タン近くにすることで、ガソリン不足で困らないようにしています。
- 真冬の停電時、暖を取れる
- 避難所では寝付けなかったりするときの避難場所になる
- 停電時、車のバッテリーが非常用電源になる
- カーラジオで情報収集できる
暖房機に石油ストーブを買っておくと屋外でも使える
灯油のみの燃料で電気を使わない石油ストーブを買っておくと、様々なメリットがあります。
- 石油ファンヒーターと違い、停電時でも使える
- 屋外でも使える
- 石油ストーブの天板で調理ができる
- 赤い炎がある程度の灯りになる
現金は停電時でも使える
停電で現金しか使えないところご多数出ある場合、現金でないとコンビニで買い物ができないケースもあるため、少なくとも3万円を常に財布の中に普段使うお金とは別に準備しておくことをおすすめします。
テレホンカードを財布に入れておく
東日本大震災の時は徒歩で10kmを帰宅しましたが、その途中で公衆電話の行列を見掛けました。確かにスマホは通信しづらくなり、家族の安否を確認しづらくなるので、公衆電話で使う時のことを考えて、テレホンカードを僕は常時財布へ入れています。
水道水を普段からストックしておく
水道水は塩素の効果で雑菌などの繁殖を抑えるため、常温で3日、冷蔵庫で10日程度(飲用)保存できます。
なお、浄水すると塩素が抜けてしまうため、水道から直接、水をくみ取りましょう。